解剖学的に全ての身体構造は結合組織、あるいは筋膜によって包まれています。そのため各構造は
接触し合い、力学的にお互いに依存し合っています。さらに神経・内分泌・免疫・筋骨格系は、一つの単位として統合されて内外の環境や出来事に対してお互いに作用し合い、反射を起こし反応していきます。
人間という生物は生まれつき自己調節能力を持っています。
最適条件では、身体・心・精神はでき得る限り健康を維持し、治療するように働きます。
解剖学的異常とそれに引き続いて起こる生理学的不調和の結果病気が起こるとしています。
一つの領域が障害されたり、あるいはそこに不均衡が生じると、その生物全体の構造及び機能が変化します。
私たちが病気と判断しているものは、名前のある疫学的病原体が人体に侵入することを指しているのではなく、むしろ身体の健康維持能力が崩れることです。病気とは機能的な異常とそれに続く生理的機能の不調和の結果であって、その原因ではありません。
人間の身体の全ての部分が秩序正しく機能しているとき、身体は完全に健康体です。
しかしそうでないとき結果として起こるのが病気です。
悪い部分を再調整すれば、病気は健康に道を譲ります。
このようにオステオパシーとは、一人の人間を身体・心・精神から成る統一体として捉え、統一体としての患者がどのようにして健康から逸脱してしまったのか、そしてその結果どのようにして病気になったのかを考えるものであります。
オステオパシー哲学、そして解剖学、生理学の知識をもとに考え、そして病を起こしている生命体の構造からの哲学的な問いに答えるべく患者を診察し、異常な部位を調整、及び矯正することによって人体が調和して働くことを目的とした療法であります。