あき鍼灸院 ブログ

内因   (心の状態と病気の関係)-憂う、悲しむについて-

憂い 悲しむ -クヨクヨすると陽気が不足して肺気が虚す(弱る)-


 
『思い悩む』と『憂い悲しむ』は一見してにているように思いますが、別のものです

『思い悩む』方は、それなりの理由があります

『憂い悲しむ』は、どちらかというと大事件でもないのに悲しむというもので、クヨクヨして愚痴るようなことも含まれています

この感情は陰性のものです。


肺は収斂作用(集める)を持っていて

肺気は陽気を巡らし発散する役目をもっています。

収斂する状態と憂いの状態は同じ状態になります

『憂い』は孤独で物静かな状態で、発散することを嫌がる性質があります

そして『憂い』すぎると『悲しみ』となり、『悲しみ』が過ぎると上焦の働きが悪くなって陽気が発散しなくなります

言い換えると

発散を嫌がり『憂い悲しみ』すぎると肺気の発散する作用が押さえられ、肺の中に熱(陽気)を持ってしまいます。

そして

憂い悲しみが強すぎると血を消耗してまい、肝虚(肝の弱りに)に発展してしまう恐れがあります。

また

憂い悲しむと愚痴が出てきますが、愚痴ることで肺気(陽気)を発散しているのです。


 
 

体質(素因)と感情(内因)との関係

悲しむことがあったとして、この受け取り方は、体質によって変わってくるというものです

肝の弱りがあると怒ることで気持ちを表現します

脾虚の人は黙って考え込み

肺虚の人は愚痴が多くなり

次回書いていきますが

腎虚の人は将来の不安を口にする

と言う傾向があるというものです。

体質による性格から物事の受け取り方が様々になっていきます

他にも


『憂い悲しむ』が酷く続いていると、肺気が弱ってしまいます。

体質(素因)が脾虚証では、悲しみが→思い込む感情に変化しやすく

肺虚証の人が逆に思い込みすぎていると→悲しむ感情に変化しやすくなります。


また体質(素因)として、肝虚証の人は怒りを覚えやすいですが、これが強い悲しみを伴っていると、一時的に肺虚証になってしまいます。


このように体質(素因)は性格、感情と深い関わりがあるのです
 
 
 

肺の弱りと病

のぼせる

悪寒

発熱

頭痛

鼻水が出る または 鼻が詰まる

アトピーなどの皮膚病が出る

ぜん息

うつ病

喉の痛み

目の疾患

咳をすると便が漏れる

肩背部の冷え痛み

唾液に血が混じる

胸苦しい

深呼吸しにくい

などの病があります

次は、

 
 

恐れ 驚き-ショックや緊張が続くと 腎気が虚してオドオドする-


を書いていきます。