西洋学的にみると
顔の筋肉のこわばりをとり、筋肉をあるべき位置に戻して、それに伴って血の流れをよくして、リンパの流れを良くし、肌にも張りを与えシワやクマをとると言ったところでしょうか。
顔の筋肉は表情筋と咀嚼筋(そしゃくきん)に大きく分かれています。
表情筋は、
☑頭蓋骨から起こって、皮膚に停止する筋肉で『皮筋』とも言います。
☑すべてを顔面神経に支配さています
咀嚼筋(そしゃくきん)は
☑頭の横から起こって、下顎につきます。
☑すべて三叉神経に支配されます
表情筋は浅く、咀嚼筋は深くにあります。
人体最大の『皮筋』は、首にある筋肉(広頚筋:こうけいきん)です。表情筋と同じように顔面神経神経に支配を受けていて、口の周りの表情筋と混じり合います。
美容鍼で主に使われるのは、この表情筋なんですね。
表情筋にアプローチすることで、前述のような効果を出します
顔面神経麻痺(西洋学的)
顔面神経マヒはこの表情筋を支配している『顔面神経』がマヒすることで起こります。
☑マヒ側の眼が閉じられない。
☑涙腺の障害で角膜の乾燥
☑涙や唾液の分泌障害
☑マヒ側の額に横じわを作ることができない
☑マヒ口角が下がってよだれが下がる
☑口笛が吹けない
☑味覚の消失
☑聴覚障害
・・・などがあります。
ちなみに
顔面神経は
☑表情筋の運動
☑舌の前の2/3の味覚
☑下顎腺、舌下腺、涙腺の分泌
を支配します
☑顔面神経麻痺は、この神経マヒによります。
三叉神経は
☑顔面の感覚
☑咀嚼運動
を支配します
☑顔面神経痛は、三叉神経痛でもあります
・・・で
東洋学的に見ると
首から上の顔面や頭には、胆、小腸、三焦、胃、大腸、膀胱の経絡が通ります。これらは、すべて陽経になります。
陰経は首や胸までにしか循環していません。
そのため、首から上にはおのずと陽気が多くのなるのです。
ですので、寒いなか首から下は着込んでいても 顔は外気にさらしていられるのです。
東洋学古典の『難行』の四十七難に書かれています。
顔面神経マヒ(東洋学的)
顔面神経麻痺は、これら陽経を通る陽気が不足した状態です。
【※中医学では、面癱(めんたん)といわれます 『面』は顔、『癱』はマヒして動かなくなることを指します。】
体が疲れて弱り、陽気が不足した状態で、顔を冷やしたために起こるものです。
多いのはクーラーなどの風で冷えたことによる風邪(ふうじゃ)の影響です
気血が阻滞し、肌肉がゆるんで締まりがなくなります。
ですので、治療では疲れて弱った体を立て直し、なおかつ顔の気血を流して顔を温める治療を行います。
顔面痛も陽気の不足、体全体の陰陽の交流が悪いために起こります。これも温める治療を行います。
美容鍼(東洋学的)
東洋学的な美容鍼では、体全体の陰陽の交流をよくして、顔に陽気と血が留まらないようにすることが大切です。
陽気は顔に集まりやすいですが、留まってしまうと
☑ニキビや吹き出物ができやすい
☑血の上下の交流が悪くクマができやすい
☑筋肉のこわばり、しわ、肌あれなどが起こる
・・・などなどが出てきます。
ですので、
西洋学的には顔の筋肉や神経にアプローチします
東洋学的には、顔も体の一部として総体的に捉えて、全身を調整する中で顔にアプローチします。
陽気が上にたまったままでいると、足などの下焦がひえます。のぼせてしまってるんですね。
この状態でいると
☑耳鳴り
☑肩こり
☑ホットフラッシュなどの更年期症状
☑腰痛
☑坐骨神経痛
☑不眠
・・・などなども現れます
ですので、個人的には、後者の東洋学的な方が美肌が長続きしますし、なおかつ肩こりや腰痛など他の病もケアしていくのがオススメです。
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